クリニックのパンフレット作成|載せる内容と作り方を5ステップで解説

「クリニックのパンフレットを作りたいけれど、何から始めればいいのか分からない」
開業を控えた先生や、開業から数年たって案内を作り直したい先生から、よくいただくご相談です。パンフレット作成には決まった順番があります。順番どおりに進めれば、迷う場面はほとんどありません。
この記事では、クリニックのパンフレットに載せる内容と、作成の流れを5つのステップに分けて解説します。初めての方を想定して、判断に迷いやすいところから順に見ていきます。
クリニックのパンフレットを作成する3つの目的
クリニックのパンフレットは、使う場面によって載せる内容が変わります。まず、何のために作るのかをはっきりさせてください。
主な目的は3つです。
- 院内で患者様にお渡しする…診療内容や初診の流れを伝え、次回の受診につなげる
- 院外で配布する…近隣の薬局や施設に置いてもらい、まだ来院していない方に知ってもらう
- 連携先にお渡しする…他の医療機関やケアマネジャーへの挨拶に使い、紹介につなげる
3つを1枚で兼ねると、内容がぼやけます。まず作るなら、院内配布と院外配布を兼ねた「診療案内」が基本です。連携先向けは、後から別に作るほうがうまくいきます。
なお、パンフレット・リーフレット・チラシは呼び方が混ざりやすい印刷物です。違いは「パンフレット・リーフレット・チラシの違いとは?医療・介護向けの使い分けを解説」でまとめています。
パンフレット以外にも、チラシ・名刺・内覧会チラシなど、クリニックで使う印刷物はいくつかあります。

クリニックのパンフレットに載せる内容チェックリスト
クリニックのパンフレットに載せる内容は、患者様が知りたい順に並べると読みやすくなります。必ず入れたいのは次の6項目です。
- 診療科目と対応できる症状…「内科」だけでなく、風邪、生活習慣病、健康診断など具体的に
- 診療時間と休診日…曜日ごとの表にして、午前と午後を分ける
- アクセスと駐車場…最寄り駅からの所要時間、駐車場の台数まで
- 院長のあいさつと経歴…顔写真を添える。専門医資格があれば記載する
- 院内の設備と検査機器…レントゲン、エコーなど、写真つきで
- 初診の流れ…受付から会計までを3〜4ステップで
余白があれば、スタッフ紹介、よくあるご質問、予防接種や健康診断の案内を足してください。逆に、病気そのものの詳しい説明は載せなくて構いません。紙面が足りなくなるうえ、患者様はその情報をパンフレットではなくWebで探します。
項目ごとの書き方は「内科クリニックのパンフレット制作|開業医が知っておきたい訴求ポイント」で、A4見開きの構成例つきで解説しています。
クリニックのパンフレット作成の流れ|5つのステップ
クリニックのパンフレット作成は、次の5ステップで進みます。順番を飛ばすと後戻りが増えるので、上から順にどうぞ。
ステップ1|配布先と部数を決める
配布先が決まると、必要な部数が見えてきます。院内の受付に置くだけなら100部から始めて構いません。近隣の薬局や施設にも配るなら、300部以上を見込んでください。診療時間や医師体制が変わる可能性がある時期は、少なめに刷って様子を見るほうが無駄になりません。
部数の考え方は「パンフレットの部数の決め方|少部数印刷と増刷の考え方」で詳しく解説しています。
ステップ2|サイズと折り方を選ぶ
サイズは、A4三つ折りが最も選ばれています。持ち帰りやすく、封筒にも入り、6面あるので必要な情報が収まるためです。院内の設備や院長の想いをしっかり伝えたい場合は、A4見開き(4ページ)に広げてください。
迷ったら三つ折りから始めるのが安全です。判断の基準は下記の記事にまとめています。

ステップ3|原稿と写真を準備する
原稿は、先ほどのチェックリストの6項目を埋める形で書き出してください。文章として整える前に、診療時間や電話番号などの事実を先に確定させると、後の修正が減ります。
写真は、院内の外観、待合室、診察室、院長、スタッフの5点があれば足ります。スマートフォンで撮った写真でも問題ありません。背景の不要なものを消したり、逆光で暗くなった写真を明るく補正したりする作業は、制作側で対応できます。
原稿と写真に迷ったら、下記の記事が参考になります。


ステップ4|デザインを作る
デザインの作り方は3つあります。院内で自作する方法、制作会社にゼロから依頼する方法、テンプレートを使う方法です。
- 自作…費用はかからないが、担当者の時間が数十時間かかる
- ゼロから依頼…自由度は高いが、費用と期間がかかる
- テンプレート…枠が決まっているぶん早く、費用も抑えられる
診療の合間に作業する前提なら、テンプレートが現実的です。判断に迷うときは「パンフレットは自作と外注どっち?医療・介護向けの判断基準と費用比較」を参考にしてください。
ステップ5|校正して印刷する
校正では、診療時間、電話番号、住所、医師名の4つを必ず声に出して読み合わせてください。刷り上がってからの誤りは直せません。医療広告ガイドラインに触れる表現がないかも、この段階で確認します。
「最先端の治療」「地域No.1」といった表現は、クリニックの広告では使えません。注意すべき表現は下記記事にまとめています。

クリニックのパンフレットデザインで押さえる4つの基本
クリニックのパンフレットデザインには、押さえておきたい基本が4つあります。どれも患者様の読みやすさに直結します。
色|安心感が伝わる色を選ぶ
色は、見た人の気持ちに影響します。青や緑は落ち着きと清潔感を与えるため、クリニックのパンフレットでよく使われています。小児科なら黄色やオレンジ、心療内科なら淡い緑というように、診療科の雰囲気に合わせて選んでください。使う色は2〜3色までに抑えると、まとまって見えます。
文字|12ポイント以上を目安にする
文字の大きさは、本文で12ポイント以上を目安にしてください。高齢の患者様が多いクリニックでは、さらに大きめが安心です。情報を詰め込みたくなって文字を小さくすると、いちばん読んでほしい方が読めなくなります。専門用語は避けるか、使うときは短い言い換えを添えてください。
写真とイラスト|院内の様子が分かるものを
写真は、来院前の不安をやわらげます。外観と待合室の写真があれば、初めての方が「ここで合っているか」を迷わずに済みます。治療中の生々しい場面は避け、笑顔のスタッフや明るい院内を選んでください。文章では伝わりにくい初診の流れは、イラストの図解が向いています。
配置|知りたい順に並べる
情報の配置は、読む順番を決めます。表紙にクリニック名と診療科目、中面に診療内容と院内の様子、裏面に診療時間とアクセス。この並びが、患者様の知りたい順です。連絡先は、最後に必ず目立つ形で入れてください。
4つとも、特別な技術は要りません。テンプレートを使う場合は、これらがあらかじめ組み込まれているものを選ぶと迷いません。
クリニックのパンフレット作成でよくある3つの失敗
クリニックのパンフレット作成では、つまずくところがだいたい決まっています。よくある3つを先にお伝えします。
- 情報を詰め込みすぎる…載せたい内容を全部入れると、文字が小さくなり読まれません。迷ったら削る側に倒してください
- 刷ったあとに診療時間が変わる…医師の増員や診療体制の変更が控えている時期は、部数を抑えて刷ります
- 写真を後回しにする…原稿ができても写真がそろわず、そこで止まる例が多いです。ステップ3の段階で撮影日を決めてください
3つとも、事前に知っていれば避けられます。特に3つ目は、制作が長引く原因の上位です。刷り直しの判断に迷ったら、下記の記事をご覧ください。

クリニックのパンフレット作成にかかる費用の目安
クリニックのパンフレット作成の費用は、頼み方で大きく変わります。デザイン会社にゼロから依頼すると、デザイン料だけで10万円を超えるのが一般的です。テンプレートを使う場合は、デザインと印刷を合わせて数万円台に収まります。
費用の内訳と、抑えるためのコツは「クリニックのパンフレット制作費用|相場と費用を抑えるコツ」で詳しく解説しています。
クリニック向けパンフレットテンプレートの例
クリニック向けのテンプレートが、実際にどのような形かをご紹介します。以下は内科クリニックの診療案内テンプレートです。

オレンジを基調にした、明るく親しみやすい配色です。診療内容と院内の様子を中面にまとめ、裏面に診療時間とアクセスを配置しています。先ほどのチェックリストの6項目が、そのまま収まる構成です。

こちらは院内設備の紹介に紙面を割いたタイプです。レントゲンや検査機器の写真を並べ、初めての患者様に院内の様子が伝わるようにしています。
どちらも、文言と写真を差し替えるだけで完成します。
クリニック向けのテンプレートをご用意しています
医療介護パンフレット工房では、クリニック向けのパンフレット・リーフレットのテンプレートをご用意しています。この記事で解説した載せる内容と構成が、あらかじめ枠として組み込まれています。
100部から印刷でき、修正は2回まで無料、全国どこでも送料無料でお届けします。診療案内のほかに、スタッフ募集のチラシ、院長・スタッフの名刺のテンプレートもございます。
実際のテンプレートは内科・クリニックのテンプレート一覧からご覧いただけます。
まとめ
クリニックのパンフレット作成は、順番どおりに進めれば難しくありません。配布先と部数を決め、サイズを選び、原稿と写真をそろえ、デザインを作り、校正して印刷する。この5ステップです。
載せる内容は、診療科目、診療時間、アクセス、院長あいさつ、院内設備、初診の流れの6項目が土台になります。あとは文字を大きく、色を絞り、知りたい順に並べる。これだけで、患者様に読まれる1枚になります。
開業に向けて他の印刷物も準備される方は「クリニック開業に必要な印刷物チェックリスト|いつまでに何を発注?」もあわせてご覧ください。
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